認知症の家族が行方不明になったら?警察への連絡と今すぐすべきこと

公開日:2026年7月28日

最終更新日: 2026年8月3日

認知症の家族が見当たらず、玄関から外を確認する女性

「いつもの外出だから、もう少し待てば戻るかもしれない」

そう思う一方で、認知症の家族が見当たらないと、警察へ連絡するほどなのか迷ってしまうかもしれません。

しかし、本人は自宅へ戻るつもりでも、現在地や帰り道が分からなくなっている可能性があります。

時間が経つほど移動範囲が広がり、転倒や脱水、低体温などの危険も高まります。

見当たらないと気づいた時点で、家族だけで探し続けず、まず警察へ連絡してください。

今分かっていることを伝えながら、必要な情報を集めていきましょう。

見当たらないと気づいたら

今すぐ進めたい4つの行動

警察への連絡と情報収集を、できるだけ並行して進めます。

  1. 01 警察へ連絡する

    認知症またはその疑いがあることも伝えます。

  2. 02 写真と服装を用意する

    靴や帽子、眼鏡、杖などもまとめます。

  3. 03 直前の言葉を思い出す

    最後に見た時刻や場所も書き留めます。

  4. 04 関係先へ知らせる

    ケアマネや地域包括支援センターへ共有します。

情報がすべてそろっていなくても、警察への連絡を後回しにする必要はありません。

認知症の家族が行方不明になったら、待たずに警察へ連絡を

認知症の家族が見当たらず、警察へ電話しながら情報を書き留める女性

認知症のある人は、「家へ帰る」「仕事へ行く」など、自分なりの目的で外出していても、途中で現在地や帰り道が分からなくなることがあります。

徒歩だけでなく、電車やバスを使い、予想以上に遠くまで移動する可能性もあります。

警察庁によると、令和7年中令和7年の認知症による行方不明者は1万7,345人にのぼり、依然として高い水準で推移しています。

また、令和7年中に所在確認・死亡確認された行方不明者のうち、約95%は届出の受理から3日以内に所在確認されています。

一方、届出受理から4日目以降に発見された場合は、生存が確認される割合が急激に低下しています。

出典: 警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」

本人の安全を守るためにも、自宅周辺を長時間探してからではなく、見当たらないと気づいた段階で警察へ連絡してください。

情報がすべてそろっていなくても、認知症またはその疑いがあり、自力で帰れないおそれがあることを、分かる範囲で伝えれば大丈夫です。

事故やけがのおそれがある場合や、夜間・猛暑・厳しい寒さの中でいなくなり、本人の安全に緊急性がある場合は、迷わず110番へ連絡してください。

持病や服薬について不安があることも、警察へ必ず伝えましょう。

最初に伝えること

情報がそろっていなくても連絡できます

「認知症、またはその疑いのある家族が、○時ごろから見当たりません。自力で帰れない可能性があります」

氏名、年齢、最後に見た場所などは、警察からの質問に沿って分かる範囲で伝えましょう。

【認知症の家族が行方不明になったとき】警察や周囲に伝えるべき情報

認知症の家族の写真や服装、持ち物を確認して捜索情報を整理する女性

行方不明者の捜索では、顔写真や服装などの外見だけでなく、最後に見た状況や外出前の言葉、本人が長く過ごしてきた場所も重要です。

情報は、「本人を見分けてもらうための情報」と「移動先や捜索範囲を考えるための情報」に分けると、警察や家族間で共有しやすくなります。

顔写真は、なるべく現在の髪形や表情が分かるものを選びます。

全身が写った写真も用意できれば、身長や体格を伝える際に役立ちます。

当日の服装は、上着だけでなく、ズボン・靴・帽子・かばんまで思い出してください。

眼鏡や杖、歩き方なども、服装が変わっていた場合に本人を見分ける特徴になります。

本人を見分けてもらうための情報

顔・全身写真 できるだけ最近撮影した、顔や髪形が分かる写真 全身写真があれば、身長や体格も伝わりやすくなります。
当日の服装 上着、ズボン、靴、帽子、かばんの色や形 上半身だけでなく、靴まで思い出しておきます。
外見・身体の特徴 身長、体格、眼鏡、杖、歩き方、持病、服薬の有無 服装が変わっていても、本人を判断する材料になります。

移動先や捜索範囲を考えるための情報

持ち物 財布、鍵、携帯電話、交通系ICカードなど 電車やバスを利用できる状態かを考える材料になります。
最後に見た状況 日時、場所、進んだ方向、徒歩や自転車などの移動手段 最初に探す範囲や方向を決める際に使います。
直前の言葉 「家へ帰る」「仕事へ行く」など、外出前に話していた内容 昔の自宅や勤務先など、本人が向かおうとした場所を考えます。

認知症の家族(本人)の言葉と生活歴から探す場所を絞る

認知症の家族の昔の写真を見ながら、過去の生活や行き先を考える女性

認知症の人の外出は、周囲からは目的が分からなくても、本人の中では「家へ帰る」「仕事へ行く」などの理由がある場合があります。

ただし、本人の言葉だけで行き先を決めつけるのは危険です。

最後に見た場所や進んだ方向徒歩・自転車・公共交通機関などの移動手段と重ねながら、優先して探す場所を絞っていきます。

直前の言葉から、行き先の候補を考える

直前の発言は、現在の暮らしではなく、本人が長く過ごした時間の記憶と結びついていることがあります。

  • 「家に帰る」

    現在の自宅ではなく、昔住んでいた家や実家を指している可能性があります。

  • 「仕事へ行く」

    以前の勤務先や通勤路、当時利用していた駅・バス停が候補になります。

  • 「迎えに行く」

    子どもが通っていた学校や保育園、当時暮らしていた地域と結びついているかもしれません。

  • 「買い物へ行く」

    現在の店ではなく、長年利用していた商店や以前の生活圏へ向かうことも考えられます。

ただし、発言だけで場所を限定せず、最後に見た方向や移動手段、過去に保護された場所などと重ねて、優先順位をつけてください。

最後に見た場所と移動手段から捜索範囲を考える

思いついた場所を手あたり次第に回ると、時間も人手も足りなくなります。

最後に姿を見た地点や時刻、進んだ方向、利用できる移動手段を重ね、優先して見る範囲を決めます。

3つの情報を重ねて、探す範囲を絞り込む

01
最後に姿を見た地点

時刻・場所・進んだ方向から、捜索の起点を定めます。

02
利用できる移動手段

靴、自転車、車、財布、交通系ICカードの有無から移動範囲を考えます。

03
時間帯・天候・身体状態

夜間や悪天候、持病がある場合は、危険性の高い場所を優先します。

3つを重ねることで、どこから、どの方向を優先して見るかを判断しやすくなります。

自宅からいなくなった場合は、玄関に普段の靴が残っているか、自転車や車がなくなっていないかを見ます。

財布や交通系ICカードを持っていれば、駅やバス停から離れた地域へ移動している可能性も考えなければなりません。

一方、履き慣れていない靴や室内着のままであれば、遠方への移動だけを想定せず、建物の周辺や入り組んだ道も優先して確認します。

夜間・猛暑・厳しい寒さ・雨天時は、移動距離だけでなく身体への危険も踏まえて捜索先を決めてください。

昔の自宅・勤務先・日課だった場所をたどる

行き先が分からないときは、本人の最近の日課だけでなく、長年続けてきた過去の暮らしもたどります。

厚生労働省も、過去の記憶をもとに、遠く離れた郷里の実家へ向かおうとする例を紹介しています。

候補地は、次の順に見ていくと優先順位をつけやすくなります。

現在の日課になっている場所

散歩道、行きつけの店、病院、公園など

以前に見つかった地点

過去に保護された場所や、そのとき進んでいた方向

長年通っていた場所

昔の自宅や実家、勤務先、通勤に使っていた駅・バス停

本人が繰り返し話す場所

親族宅、以前暮らしていた地域、思い出のある施設など

ただし、昔の自宅や勤務先だけに捜索を集中させず最後に見た方向や移動手段と合う候補を優先し、警察や家族へ共有してください。

警察への連絡後、家族が手分けして進めたいこと

警察への連絡後、情報を記録する人と現地確認へ向かう人に分かれる家族

警察へ連絡したあとは、家族全員が別々に探し回るのではなく、関係先への連絡・現地の確認・情報の記録を分担します。

誰がどこを探しているのか分からない状態になると、同じ場所を何度も回ったり、大切な目撃情報が伝わらなかったりするためです。

地域包括支援センターやケアマネへ知らせる

介護サービスを利用している場合、担当のケアマネジャーや通所施設、訪問介護事業所へ連絡します。

普段の散歩コースや立ち寄り先、以前にも帰れなくなったことがあるかなど、家族が把握していない情報を持っている可能性があります。

地域包括支援センターにも状況を伝えておくと、地域の見守り体制や、自治体が運営する行方不明高齢者の情報共有制度について案内を受けられることがあります。

連絡する際は、警察へ伝えた内容と同じく、本人の写真・服装・最後に確認した時刻と場所を共有します。

連絡担当と捜索担当を分け、情報を一か所に集める

家族が複数いる場合は、それぞれが思いつく場所へ向かう前に役割を決めます。

一人は警察や関係機関との連絡を担当し、ほかの家族が自宅周辺や本人との関わりの深い場所を見に行きます。

現地を確認した人は、見た場所と時刻、周囲に聞いた内容を連絡役へ報告してください。

目撃情報が入った場合も、家族だけで判断せず警察へ共有します。

  • 連絡役

    警察や関係機関からの電話を受け、新しい情報や捜索状況をまとめます。

  • 現地を確認する人

    自宅周辺や本人と関わりの深い場所を確認し、場所・時刻・結果を連絡役へ報告します。

  • 自宅で待機する人

    本人が自宅へ戻った場合に備え、すぐに気づけるよう、連絡を受けられる状態で待機します。

警察に届け出ても見つからないとき、探偵は何ができる?

警察へ届け出たあとも、ご家族だけで確認できる範囲や時間帯には限りがあります。

捜索が長引いている場合や、本人が向かった可能性のある場所を広く確認したい場合は、探偵への相談も選択肢の一つです。

探偵は警察の捜索に代わるものではありませんが、家族から伺った情報をもとに、現地での確認や聞き込みを行い、捜索を補助できます。

認知症の行方不明者の移動経路を住宅街で確認する福一調査会の調査員
福一調査会の捜索サポート

ご家族だけでは確認しきれない範囲を、
状況に応じて現地で確かめます

警察へ届け出たあとも手がかりがつかめない場合は、最後に確認できた情報をもとに、 優先して見る場所や時間帯を整理して 捜索します。

現地でできること

捜索の起点
最後に見た場所を起点にする

最後に確認された時刻や進んだ方向、徒歩・自転車・電車などの移動手段を重ねて考えます。

本人の記憶
本人の生活歴をたどる

昔の自宅や勤務先、通勤路、よく通っていた店など、本人になじみのある場所を見ます。

捜索範囲
家族だけでは回れない範囲を補う

離れた地域や、早朝・夜間など時間帯を変えた確認にも対応します。

福一調査会の捜索視点

事実と推測を分けて考える

行方不明に気づいた直後は、ご家族の間でも、最後に見た時刻や本人の服装、向かった方向について認識が異なることがあります。

確認できた事実

「自宅の見守りカメラに映っていた」「玄関に普段の靴が残っている」「財布が見当たらない」など、実際に確認できている情報を一つずつ伺います。

行き先についての推測

「駅へ向かったと思う」「昔の自宅へ行ったかもしれない」といった情報は、行き先を考えるための候補として分けて扱います。

事実と推測を混ぜずに見ていくことで、思い込みによって捜索範囲を狭めすぎることを防ぎます。福一調査会では、確認できた事実を一つずつ積み重ねながら、本人が向かった可能性のある場所を絞り込んでいきます。

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認知症の行方不明は、事故や体調悪化につながるおそれがあります。探偵への相談を理由に警察への連絡を遅らせず、まずは警察へ届け出たうえでご相談ください。

24時間相談受付

警察へ届け出たあとでもご相談いただけます

お急ぎの場合は、現在分かっている状況をお伝えください。

お急ぎの方は電話で無料相談 0120-987-477 タップすると電話をかけられます

【認知症の家族が見つかったら】責めずに体調確認と再発防止を優先する

見つかった認知症の高齢家族に水を渡し、体調を気づかう女性

本人が見つかったら、まず顔色や受け答え、けがの有無を見てください。

意識がはっきりしない、呼吸が苦しそうなど、緊急性が高い場合は、119番へ連絡してください。

「どこにいたの」「なぜ出ていったの」と責めると、不安や混乱を強めることがあるため「見つかってよかった」「もう大丈夫だよ」と声をかけ、安心できる場所へ移動させましょう。

落ち着いてから、GPS端末や連絡先を書いたカード、玄関センサー、家族の連絡体制などを見直します。

家族だけでの見守りが難しい場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談するほか、福一調査会でも状況に合わせた見守りについてご相談いただけます。

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認知症の家族が行方不明になったときによくある質問

Q 認知症の家族が行方不明になった場合、どこの警察署へ届け出ればよいですか?
A

本人が行方不明になった時点の 住所・居所を管轄する警察署 のほか、いなくなった場所や、届出をするご家族の住所・居所を管轄する警察署へ届け出られます。

どこへ連絡すればよいか迷った場合も、届出先を調べるために時間をかけず、 近くの警察署へ相談してください。 事故やけがのおそれがあるなど、緊急性が高い場合は、 迷わず110番へ連絡しましょう。

自治体の防災無線や見守りネットワークは利用できますか?

利用できる場合があります。 ただし、防災無線やメール配信、SOSネットワークなどの制度は、 自治体によって内容や利用条件が異なります。

まず警察へ行方不明者届を出し、その後に市区町村の高齢者支援窓口や 地域包括支援センター へ利用方法を確認してください。事前登録が必要な地域もあります。

SNSで行方不明者の情報を拡散しても大丈夫ですか?

SNSでの拡散が目撃情報につながることはありますが、 家族だけで判断して公開する前に、警察へ相談してください。

公開する場合も、氏名や顔写真、服装など 捜索に必要な情報だけ にとどめ、住所・電話番号・詳しい病歴などは載せないようにします。 本人が見つかったあとは投稿を削除し、転載した人にも削除を依頼しましょう。

防犯カメラの映像を家族が確認することはできますか?

家族が依頼しても、必ず映像を見せてもらえるとは限りません。 防犯カメラの映像は個人情報にあたる場合があり、 店舗や施設の管理方針によって対応が異なります。

映っている可能性のある場所と時間を できるだけ早く警察へ伝え 、施設への確認や映像の保存について相談してください。

行方不明だった本人が見つかったら、警察への連絡は必要ですか?

はい、家族が発見した場合や本人が自宅へ戻った場合も連絡が必要です。

行方不明者届を出した警察署または担当している警察署へ、 見つかった日時・場所・本人の状態 を速やかに伝えてください。自治体の見守りネットワークやSNSを利用した場合は、 そちらにも発見の連絡を入れます。

認知症の行方不明は「もう少し待つ」が危険につながることがあります

認知症の家族の写真を近隣住民に見せ、捜索への協力を求める女性

認知症の家族が見当たらないとき、警察へ連絡するほどなのか迷うのは自然なことです。

行方不明は、家族が注意していても防ぎきれない場合があります。

自分を責めるのではなく、見当たらないと気づいた段階で周囲の力を借りることが、本人の安全につながります。

行き先が分からないときほど、思い込みで探す場所を狭めないことが大切です。

福一調査会では、最後に確認できた事実とご家族の推測を分け、まだ確認できていない場所や時間帯を洗い出し、次の捜索につなげます。

捜索の手が止まっていると感じた時点で、ご相談ください。

警察へ届け出たあとも、手がかりが見つからない方へ

止まっている捜索に、
次の一手を。

確認できた事実を一つずつたどり、
ご家族だけでは追いきれない場所や時間帯を現地で調べます。

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REFERENCE この記事の参考資料・公的機関の情報

この記事の作成にあたり、以下の公的機関の情報を参照しています。

制度や対応方法は地域によって異なる場合があります。緊急性が高いときは、情報を調べるより先に110番へ連絡してください。

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